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一般財団法人 レオ財団

啓発イベント

特別講演&コンサート 森 祐理様にご講演していただきました。

『悲しみから希望へ』                          

11月9日(月)、一般財団法人レオ財団主催の特別講演会&コンサートを行いました。                                                                                                                                                      

今回は、福音歌手として全国を駆け巡っておられる森祐理さんのお話を伺いました。
「丸太ん棒のように毛布でくるまれた弟の遺体を見た時、丸太ん棒がゴーンと突き刺さったように心に穴があいたんです」
森祐理さんは阪神淡路大震災で弟を亡くした時のことを話してくださいました。
                                   
「心に穴があいてから、そこから人の痛みが入ってくるようになりました。人の痛みに対して『大変ですね』という思いはありましたが、自分の心が“ぐさっと”痛むことはなかったんです。穴があいたおかげで、人の痛みを自分の事のように感じられるようになりました。私にとって必要な穴だったと思います」と。
                                                               

森祐理さんは、弟さんの遺体に対面したとき、心の耳に彼の声を聞いたそうです。
「お姉ちゃん、おれ、死んでないよ。おれ、もっといい所に行ったから・・・心配すんな」って。

                                                               

このことがきっかけとなり、祐理さんは被災地で歌うようになりました。
「食べ物は、おにぎりも水もサンドイッチも、いっぱいある。だけど、何も食べる気にならなかった。あんたの歌聞いて、やっと、お腹が空いてきたワ、おおきに・・・」
被災者の声に後押しされるように祐理さんは、歌による“心の救援物資”を運びました。
その後、台湾、釧路、スマトラ沖、鳥取西部、中越、能登半島、中国の四川省・・・。

                                                               

祐理さんが四川省に行ったときの話です。おばあさんが祐理さんのところに来て言ったのです。
「私は日本人が嫌いだった。戦争や歴史のことで辛い思いをした。でも、地震ですべてを失い途方にくれていたとき、日本人のあんたが“こころの救援物資”を持ってきてくれた。私は間違っていた。日本人を憎んでいたことを許してほしい。謝謝・・・」

                                                               

祐理さんは、被災地だけでなく、貧困にあえぐ国にも“こころの救援物資”を届けています。

                                                               

カンボジアに行かれたときのことです。子供がたくさんいるお母さんに祐理さんは尋ねました。
「お子さんは何人いらっしゃるんですか?」
返事がありません。何度聞いても、このお母さんは首をかしげるばかりです。
通訳の人が言いました。
「このお母さんは数を数えることができないんです。だから自分の子供が何人いるのかわからないのです。教育は人として生きていく上での、尊厳にかかわるものだと思いました。」

                                                               
次に話されたのは、エチオピアでのことです。
空港から2日間、車で走り続けて着いた村はトイレもありません。ノミ、ダニ、蚊がいっぱい。
そんな中で、祐理さんは、目の輝いた子供たちに出会いました。
祐理さんは、私たち聴衆に質問されました。
「みなさん、エチオピアの子供たちの夢って何だと思いますか?」

                                                               
「学校の先生になる?おなかいっぱい食べる?お医者さんになる?」
「みんな、間違いではありません。しかし、エチオピアの子供たちが最も望んでいること。それは、大人になることなのです。」
先進国だったら、大人になるのは当たり前。勉強しようが、しなかろうが大人になります。運動が出来ても出来なくても大人になります。20歳までに死ぬことはほとんどありません。でも、エチオピアは違います。若くして死んでいきます。子供たちは、生きていくために、4時間もかけて水を汲みに行き、泥水を持って帰ります。その泥水を飲んでお腹を壊し、死んでいくのです。エイズに感染している子供も多くいます。このような子供たちの命は8歳までです。だから、エチオピアの子供たちは「大人になりたい」のです。大人になるのは大きな夢なのです。祐理さんは、あまりの惨状に驚かれたと話されました。小さな子供が、毎日、死と向き合って生きているのに、輝く笑顔で祐理さんを迎えてくれている。祐理さんは何とも言えない心の痛みを覚えたとのことでした。

                                                               

最後のお話は東日本大震災被災地支援コンサートでの出来事です。テレビの報道番組『ニュースアンカー』での放映を短く編集されたビデオを見せてくださいました。
「私ら、3週間、お風呂に入ってない。でも今日は歌で心洗ってもらった」
「津波でも泣かんかった。地震でも泣かんかった。今日、歌聴いて初めて泣いた」
被災者の言葉に、私たちは涙を流しました。祐理さんが届け続けている“こころの救援物資”の大切さを感じた瞬間でもありました。
被災者の涙も、祐理さんの話に流した私たちの涙も、心を洗ってくれます。
泣いて解決する問題ではないけれど、流した涙の分だけ、心の重荷が取れているように思います。涙は洗剤や薬品以上に効力を発揮します。

                                                               

祐理さんは、日本の被災地だけでなく、世界各地へも出かけます。ほとんどがボランテイア。
「こころの救援物資」を届けるという貴重な働きを、如何にしてバックアップしていくのか、何か良い体制を作ることはできないのか、講演後、参加者を小グループに分けてバズセッションを行いました。

                                                              

「弟の命が、他の人の命につながっています。弟が死んでよかったということではありません。でも、死にさえも意味があるのです。悲しみは悲しみで終わらない。死は死で終わらないのです」と語る祐理さん。
祐理さんのお話を聞いていると、素直になっていく自分を感じました。
清らかな歌声と、心あるお話に、心洗われる講演会&コンサートになりました。

                                                              

【講演会概要】
日時:2015年11月9日(月)19:00~21:30
場所:大阪マルビル 6Fモナーク

                                                              

【森祐理さんのプロフィール】
京都市立芸術大学音楽学部声楽専修卒。NHK京都放送局を経て、NHK教育TV「ゆかいなコンサート」歌のお姉さんを務める。福音歌手として20年以上に亘り、心に響く美しい歌声で多くの方々へ希望のメッセージを届けている。刑務所等矯正施設での働きが評価され、2002年大阪矯正管区長賞、2007年法務大臣顕彰を拝受。
阪神大震災で弟を失う痛みを通し、国内外の被災地へ心の救援物資を届ける活動を継続。東日本大震災の被災地での支援コンサートは既に90回を超える。「1・17の集い(神戸市追悼式典)」にて独唱(2010年から6年連続)。
ラジオ関西「モリユリのこころのメロディ」(毎週金曜日、午後9時~9時30分)パーソナリティ。神戸新聞にて「随想」連載。日本国際飢餓対策機構親善大使。ニューライフキリスト教会会員。ブラジル・サンパウロ州バウルー市・名誉市民。CD19枚、著書3冊、DVD6枚等好評発売中。
公式HP:http://www.moriyuri.com/
牧口 望(実行委員長)
                                                              

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