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一般財団法人 レオ財団

月例会・勉強会

2月例会・勉強会にて、「TEDxKobe」ファウンダー兼オーガナイザーの舟橋 健雄さまと先日TEDxKobeにて登壇されました「株式会社 Silent Voice」代表取締役 尾中 友哉 さまにご講演いただきました。

2月例会・勉強会は、「TEDxKobe」の運営に関わっておられます舟橋健雄さまと2017年の同イベントに登壇された株式会社 Silent Voice代表取締役 尾中友哉さまをお迎えしました。舟橋さまには、「TEDxKobeが目指す未来」、尾中さまには、「TEDxKobeに登壇して感じたこと」をテーマにお話しいただきました。

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TEDとは「価値のあるアイデアを広める(Ideas worth spreading)」を理念とする非営利団体(1984年~ )で、様々な専門をもつプレゼンターが登場、全世界に配信されているイベントです。

TEDx(テデックス)とは TEDから正式にライセンスを受け、世界各地で独自に運営されているプログラムで、TEDの目標を共有し、定めた運用ルールに沿いながら、各エリアの独自色を出しているもので、2009年の開始以来、2014年5月までに全世界167カ国で通算10,000回以上ものイベントが実施されています。

橘理事長より、今回のお二人のご紹介をさせて頂きました。

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「TEDxKOBEが神戸の甲南大学で開催されたとき(2017年12月)、東邦レオの元社員の木本孝宏さんが登壇者として、すばらしいスピーチをされました。ぜひもう一度話をしてもらおうと話をしたところ、『自分よりTEDxKOBEそのものの仕掛け人を呼んだらどうですか」という話になり、今回、舟橋さまにお越しいただきました。また、財団でも、何度か講演頂いた尾中さんも、プレゼンターとして登壇されており、本日、みなさまと一緒にお話しを伺いたいとおもいます。

これからの時代にTEDのような手法は大事だと考えます。つまり、自分の思い、志をたてる→人に伝える。 このプレゼン技術が重要。共感をもって伝えることで人を巻き込む。そして、事を成し遂げることができる。志をもつ人間にとって、TEDから得るものは非常に大きい。」

 

舟橋さまは企業の広報という仕事の傍ら、TEDxのような大きなイベントの運営をされておられます。

「私は会社員でありながら、一企業という枠をはみ出して、地域のコミュニティを運営していいます。『神戸を一つの大家族に」することを目指しています。個性の違う人たちがお互いを認めつつゆるやかにつながっているイメージです。

神戸はポテンシャルが高く、素晴らしい活動があるがバラバラであるし、新産業・イノベーションも少ない。

神戸の人をつなぐことでポテンシャルを発揮させ、素敵なまちにしたい。」

神戸という街を発端にして、その思いがTEDという世界的なイベントへつながったということが伝わってきます。

「TEDとは価値のあるアイデアを広めることがベース。頭の中にアイデアをもつだけでなく、人に伝えることが大切です。聴いた人のものの見方、行動を変えることに価値がある。イベントとしては、はじめはクローズドな場でしたが、2002年以降はオープンになったようです。「新しいタイプの人とのつながり」をもたらす場として評価も高いです。

TEDについて

TEDxは、単なるイベントでなく 世界をよりよく変えたいという情熱をもった人によって形成されるコミュニティといえるでしょう。後ほど、そのお話をさせていただきます。」

舟橋さまのスピーチの後は、月例会メンバーで、登壇された尾中友哉さまのTEDxプレゼンの様子をYOU TUBEで鑑賞させて頂きました。

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尾中さまは聴覚障がいがあるご両親の元で、幼い頃から手話を使い、愛情いっぱいに成長されました。しかし、幼い頃は、友達や家族とのコミュニケーションの中で、もどかしい思いをされたこともあったようです。

「自分の家では手話が普通でした。友だちはみな口で言葉を話しますが、なかなかそれがわからなかった。コミュニケーションがとれないでいました。」

そんな尾中さんが初めて、友達とコミュニケーションの楽しさや嬉しさを体験されたのは、幼稚園の遠足ではじめて、友達が拾ったきたキイチゴをもらったときのこと。

「おいしいね」と、笑顔とともに、ジェスチャーでやりとりした瞬間だったと話されます。

「家に帰って、母に「キイチゴ」 といおうとしても、伝わらない。何時間かけても伝わらず、もどかしい思いを抱える母と自分は、いつのまにか、二人で涙を流していました。そんなところに、夜帰宅した父が驚き、経緯を知った父は、すぐさま車を出して『乗れ!遠足へいった場所にいくぞ!』と、二人を連れ出してくれました」

「車で向かったのは昼間遠足でいった山。闇の中、キイチゴを探しました。「あった!僕が友達にもらったの、これや」」

“キイチゴ”が母に伝わった瞬間でした。

その母は今、お店をしています。耳が聴こえなくて店なんかできるのか。と周囲は心配しましたが、おかげさまで順調です。

実際どんなふうなのか、行ってみると、たとえばお客さんが「灰皿ちょうだい」といっても、母は気づきません。でも、お客さん同士でコミュニケーションをとって、灰皿を渡しているんです。

また、母は言葉が聴こえませんがお客さんの顔をよく見ています。聴こえなくても、見ているんですね。お客さんの顔を見て、寄り添おうとしています。身をもって「相手に寄り添う」姿勢を感じました。

 

コミュニケーションは声と言葉だけではないんです。

 

聴こえない人にとって、伝えあうことができないつらさは小さくありませんが、耳が聴こえる人であってもわかりあえないことはあります。つらいものです。

聴こえない人には、聴こえないからこそ身についた力があります。

 

私は、その「聴こえない人がもつ力」を生かしてコミュニケーション研修を行っています。

その研修では、耳栓をして「どうやって伝えるか」にチャレンジします。やはりうまいのはデフ(聴覚障がいがある方)の人たちですね。

 

ほんとうに伝えたいことは何なのか。言葉の表面をたどるのでなく、本当の気持はどこにあるのか。

デフの人たちは聴こえなくても、あきらめないのです。いわば「こころに耳がある」のですね。

私は、こころに耳をはやす方法をデフの人たちから学んでいます。耳が聴こえていても、話が伝わっていないことはあります。伝わりあえないことも。私は「できないこと」でなく、「できること」にフォーカスをあてたいと思っています。

 

コミュニケーションは言葉じゃない  

奥にある心の声を聴けば、

コミュニケーションはもっと豊かになります」

 

尾中さんのスピーチのビデオが終わると会場中、大きな拍手が巻き起こりました。 TEDxKOBEでのプレゼンについては、

9名のスピーカーのうち 尾中さんのみがオーディションで選出されました。

「TEDxKOBEは、最高の舞台 最高の聴き手がいる場でした。」

尾中さんのプレゼンは感動を呼び、 スタンディングオーベ―ションが巻き起こりました。

 

再び、舟橋さまよりこのように共感の熱狂を生み出すTEDxの運営のことについて、ご講演頂きました。

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舟橋さまが「場をつくる」 「雰囲気を作る」ために、二つのことを重視していることは3つ。

1)  人の力

ボランティア140人 ほんとうにやりたくてやっている人たち。

泣くほど感動する→伝播

2)  アートの力

氷山にたとえるならば、見えるのはほんの1割。ほかの9割は見えない(無意識)。

その見えない9割を動かせるのがアートの力だと思う。

まさに新しい時代の「お祭り」に近いもの。

どこか非日常で、老若男女がいきいきと参加できる。

ライブ感。血が通っている何かに触れる→共鳴しあうことの感動、力。

人に、感動に触れあう熱=人工知能では得られないもの。

最後に

3)準備に力を入れている。フラットな組織。

いいたいことをいいあい、認め合うコミュニティ。

皆でプレゼンを作り上げる。「つまり何がいいたいの?」何度も何度も練り直すことをしている。

舟橋さんはヴァイオリンを例えに説明されました。

「弾き手が『鳴らしたい』と思って、力をいれて弦を鳴らすと、音は出るがすぐに止まってしまう。そうでなく、その弦が震えれば、隣同士の弦が共鳴し、いつまでも音が鳴り響く。

だから、まず自分が震えること。共鳴すること。 

それが人に伝播することで、いつまでも響きあう。」

最後に TEDxKobeがめざす未来について語って頂きました。

「Start with why」 神戸をより良く気持ちから、アイデアを使って人をつなぎたい思いがTEDへ直接でむいてライセンスを取得する行為にぐながりました。人をつなぐことでまちのポテンシャルを発揮させるのです。しかし、つなぐだけでいいか?

TEDxKobe に参加することで、気づき、思いつきの種が生まれ、それが、新しいアクションにつながるだと思います。そして、

つなぐ先を自分の手のうちだけにとどめてはいけない。つなぐことではじめて変化の可能性、イノベーションが生まれます。  世界をよりよく変えたいと思う方と、今後もつながり、イノベーションが生まれるコミュニティを作りたいと思っています。」

 

<舟橋健雄氏 略歴>

神戸デジタル・ラボ 社長室長 兼 広報室長

TEDxKobe 代表/オーガナイザー

・078実行委員会実行委員

1975年神戸市生まれ。大学在学時に阪神・淡路大震災を経験し、学生仲間とボランティア活動に携わる。民間有志でNPOを立ち上げ、 神戸のNGO/NPOの草分け的存在に。

大学卒業後、民間シンクタンクに入社。文化行政施策や経済施策への提案・調査活動等に従事した後、神戸のITベンチャーにおいて企画・営業・総務・社長室・広報などの業務を担当。

2010年より「OSC神戸」、 2011年より「神戸ITフェスティバル」を立ち上げ。 一企業を超えた地域の有志たちとITによる神戸の活性化に取り組む。

2013年「TEDxSannomiya」、 2014年より「TEDxKobe」のライセンスを取得。 神戸にイノベーティブなコミュニティを築くことをめざす。

2016年より、神戸内外のあらゆる人々をつなぐクロスメディアイベント「078」を企画

座右の銘はThe Best way to predict the future is to invent it

 

<尾中友哉氏 略歴>

株式会社およびNPO法人Silent Voice代表。

1989年、滋賀県出身。聴覚障害者の両親を持つ耳の聞こえる子どもとして、手話を第一言語として育つ。大学卒業後、東京の大手広告代理店に勤務。

聴覚障害者の「聴こえないからこそ」身についた伝える力を活かした企業向け研修プログラムを開発、聴覚障害者の強みを生かす社会の実現に向けて活動している。

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