林 英臣政経塾 林 英臣様にご講演いただきました。

9月9日(水)、一般財団法人レオ財団の月例会&勉強会が行われました。
本日の講師 林 英臣さんは、1979年に松下電器(現パナソニック)の創設者 故松下幸之助創設の松下政経塾第一期生として入塾され、松下幸之助の影響を大きく受けられました。その後の平成13年、自ら林 英臣政経塾を創設しこれからの日本をそして世界をリードしてゆくリーダーの輩出に尽力されておられます。林さんは、レオ財団でもお馴染みの神谷宗幣さん、南出賢一さんの師匠でいらっしゃいます。
「松下幸之助から託されたこと」~経営の神様は、こう語った~ と題しご講演いただきました。

松下幸之助の傍で見聞きしたエピソードを紹介しながら、松下幸之助を理解いただければ幸いです。
ある日、松下幸之助は「本当のところ、何で塾を創ったのかわからんのや」とぽつりと言われました。それを聞いたとき、「えっ!」とは思ったものの、自然界にはこの人をも動かす目に見えないすごい力が働いているのだと感じました。

松下幸之助は大宇宙の摂理を「根源様」と呼び、その基本は全てのものは日々進化発展している、決して破滅の方向には向かっていないと信じていました。この捉え方は、人の生き方、政治、経済全ての分野で根本的に重要であり、自分はその大宇宙の根源と繋がっているのだと信じていました。
人の強さは、信念を持っているかどうかによって決まってきます。生き方に関する原点をきちっと持つことが非常に重要だと思います。

松下幸之助は人に対し、また組織に対して中国三大思想の「儒家」、「道家」、「法家」の教えを誠にバランスよく使い、人を使いこなし、組織の掌握をしていました。
「儒家」は、人間を大肯定する思想で、松下幸之助の人間観の基本、大前提となるものです。
人は信じるに足りるもの。可能性は素晴らしいものを持っている。教え育むことを施し、成長させ得るものであるという思想です。
ただし反面、立派な人間が偉大である。また、出来ない人間はダメであるという差別的な思想でもあります。

「道家」は、人間はガツガツしてはいけない。出世や名誉にこだわってはいけない。というおおらかで開放感ある思想です。これも必要な考え方です。ただし反面、出世も名誉いらない、その代わり何もしない、責任も負わないというような無責任な人間を作ってしまうことにもなりかねません。

「儒家」「道家」のバランスが大事です。林塾の弟子たちには特に政治化には地位や名誉に関連深い仕事ゆえそれを超越した存在となれと言っています。

「法家」(韓非子)の教えは「儒家」「道家」の教えにプラスして松下幸之助が常に実践していたものです。
その教えは、元々人間は信用できるものではない、仕組みやルールを定めそれに違反すれば罰則を与えなければならないというものです。

松下幸之助は、確かに人間を大肯定の「儒家」を基本としていましたが、組織というものは放っておけば間違いを起こすもので、常に注意して見ておかなければならないとも認識し、「法家」も取り入れていました。

例えば、2ヶ月の研修を終えた塾生に配属先の問題点を聞き出して是正したり、経理社員は別枠採用、別枠教育で各関連会社に配属し特別な権限を持たせた上、状況報告をさせたりと、それらを通じて組織を掌握していました。
このように、相反する教えをうまくバランスし事業を行なっていたのです。

これからは東洋の時代、そして、経済の根本にも大きな変化が起ってくるだろうと松下幸之助は予測していました。
そのような時代に経済の根本として重要になってくることは、今までの資本主義、共産主義に変わる第三の思想に基づく公益経済活動です。そしてそれを通じて、芸術、学術、思想、文化も大事にする物心両面の成長、好・不況両方を糧とした循環成長とそれによる年輪成長です。

これまでの経済活動は資本家のための利益追求が中心で、そのしわ寄せが人に来ていました。社長や社員とその家族の物質的、精神的不幸。顧客に対する背信行為等です。
松下幸之助は宇宙の大原則である成長発展は大事だが物心両面での発展が何より重要と言っています。それが、第三の思想に基づく公益経済です。

松下幸之助の「君らは塾生であり、塾長でもある」という言葉により、林政経塾を創りました。今までに国会議員5名、市長5名、地方議員100名以上を輩出してきました。

塾で教えていることの基本は「日本の原点、日本とはどういう国か」ということです。日本の国を背負い、世界で活躍する人間になるにはきちっとにほんのことを理解し、語れる人間でないとダメだと思います。

これからは東洋の時代です。800年ごとの周期で西洋と東洋の隆盛が入れ替わってきました。これからの時代は東洋が世界をリードし、西洋(現アメリカ含む)がその補完をする時代に入ります。
西洋の良いところを受け入れ、それを加工し大きく地球全体によい影響力を与えていくのがこれからの東洋の果たす役割で、日本がその中心となるのです。

熟生にはそんな中大きな役割を担って欲しいので、「こせこせ小さくまとまるな!!」とガンガン
激励しております。

林さんのお話を通じて、松下幸之助翁の人物像がはっきりとし、改めて思想家としての幸之助翁に魅力を感じ、非常に興味深く拝聴いたしました。
また、林政経塾を通じてこれからの日本、東洋、世界を担う若者がどんどん生まれてくる様子が目に浮かびました。
有難うございました。

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