『これからの我々の具体的な活動について』(学生の取組み:前編)

『これからの我々の具体的な活動について』(学生の取組み:前編)

 

2019.10.16

 

9月15日に開催した「ジム・ロジャーズ氏来阪シンポジウム」を終え、今月は、特別招待枠で参加いただいた学生のうち5名を迎え、それぞれの方から感想と今後自分がどのように活かしていくのか?ということをシェアしていただき、財団メンバーとのディスカッションを行いました。

 

Aさん
大学4回生。2年ほど前から学生ボランティア団体を立上げ、活動中。
活動の方向性は2つ。1つは、アフリカの途上国に対する教育のための学校建設。
2つ目は、先進国で、現地での活動や世界で何が起こっているのか?を学生に伝えることで、自分に何が出来るのかを考え、行動に移してもらうための啓発活動を行っている。

【感想】
日本に対するご指摘が多々あった中で、それでも良いのではないかと個人的に思っている。
日本の人口が減少していけば、その分外国から移民としての労働者が入ってくる。
それにより、グローバル化が進み、世界が段々とひとつになっていく。

2030年までに地球上の人口全てを養うためには、地球2個分の資源が必要と言われ、資源を巡っての人類の争いなども予想される。
科学技術の進歩があれば見込みはあるかも知れないが、最終的な問題とは、人の心だと感じる。だからこそ、教育を通してアフリカに学校を建てることを目指している。

 

【ディスカッション】
財団メンバー
アフリカはとても良いと思うが、インフラを整備するにしても手段が限られている。
また、政治が安定していないことから、教育は大変だと思うが、その辺りはどのように考えているのか?

 

Aさん
現地の教育者と連携を取りながら、学校としての箱物だけではなく、その中の運営もしっかりやっていく。
最終的に地域での学校運営が可能になったら委ねて、自分達の支援は完了する。
それをモデルケースとしてアフリカ中に広めていきたい。

 

財団メンバー
アフリカの支援活動で、生活していけるのか?

 

Aさん
生活していけるのかで言うと厳しいかも知れない。
しかし、アフリカの開発に自分の生涯を賭けても良いと思っているので、食べて、飲んで、寝る場所が最低限あれば充分と考えている。

 

理事長
レオ財団で学校建設で支援したカンボジアを視察した際に、その活動をしているのは、元々エリート銀行マン。
今は月10万円くらいの給料でカンボジアの人達のために活動をし続けているが、とても幸せそうだった。
何が幸せなのか?という価値観が変わってきているのは確か。
ところで、何でアフリカなのか?

 

Aさん
中東や東南アジアを見た時に、活動しているボランティア団体がとても多かった。
多い分、沢山のお金が投下されているはずだが、政府がお金を横流しており、必要なところに届いていないという実体もわかり、そんな状況下で活動しても意味がないと思った。
一方アフリカは、緊急支援は沢山入っているが継続的な支援が少ない。
自分達ならではの新しい方法で世界を変えるきっかけを作れるのではないかと考えたから。

 

財団メンバー
アフリカでの支援の目的は、自立のためなのか?日本との国交などのためなのか?

 

Aさん
現段階では自立支援を考えている。

 

理事長
明治維新の前は藩益を考え、今は国益だが、そのために色んな争いや問題が起きているということを思うと、恐らく今後は地球益になっていくのだろう。
どこの国が・・・という考え方自体が古いのかも知れない。

 

財団メンバー
JICAとか独自のNGOやNPOを立ち上げるのか?
また、資金は自分達で稼いだお金を投入する場合とドネーションがあると思うが、どのくらいの比率を考えている?

 

Aさん
現時点では学生団体だが、ゆくゆくは一般社団法人にする予定。
基本的にはドネーションの割合の方が多くなると思うが、現地で稼いだお金を活動資金に充てていくことを想定している。

 

 

Aさん

 

 

Bさん
大学三回生。「ランウェイの上で夢を描く」をコンセプトに活動しているDEAR MEという団体の副代表を務める。
フィリピンのスラム街に住む子ども達にモデルになってもらい、ファッションショーを開催。

【感想】
ジム・ロジャーズ氏が何度も言っていた「日本はスピード感をもって、もっとグローバルにいかないと世界に取り残されてしまう」ということが、心に残った。
私は今、大学3回生で就活をしなければならない時期。
社会に出てグローバルに活動できる、そして挑戦できる機会を与えてもらえるような企業に入りたいと強く感じた。
DEAR MEとして活動している中で、フィリピンの子どもたちと関わり、共通語は英語。
ただファッションショーのみで関わるのではなく、もっとコミュニケーションをとり、国が違えば考え方も変わると思うので、もっと色々な考え方を知りたいと思うようになった。

 
Cさん
大学3回生。Bさんと同じ、DEAR MEという団体に所属。
初めてフィリピンに訪問し、貧富の差を感じた。モデルとなってくれる子ども達のためにも、是非ショーを成功させたい。

【感想】
近隣国の韓国・北朝鮮がどんどん発展していくのに対し、日本は遅れていくという話を聞き、日本はもっとグローバル化していく必要性を感じた。
他国では移民を受け入れ、国内に日常的に色んな国の人がいるが、日本ではまだまだ観光客という印象が強い。
私は日本人とイタリア人のハーフで、日本にいると外国人的に見られることがあるが、2回生の頃にカナダに行った際には、多民族国家なので違和感がなかった。
そういう面で、日本はまだまだグローバル化しているようでしていないということを感じている。
日本がもっと、外国の文化や移民を受け入れて、発展していけば良いと感じた。

 
【ディスカッション】
理事長
日本はこの30年間、殆んど成長していない。
バブルを迎えるまではずっと右肩上がりだったが、崩壊後はずっと横ばいの状態。
とは言え、日本は安全であり食べ物も美味しい豊かである。
今の状態が後30年、50年続くという前提であれば何もする必要はないかも知れない。

しかし、ジム・ロジャーズ氏も確信をもって指摘しているように、現状が続くことはないと思っている。
そこをどう捉えるか?
教育のシステム然り、会社をどう選ぶのか?人間としてどう生きるのか?というパラダイムシフトが起きている中に、今の我々はいる。
だからこそ、何とかせなあかん。何とかしようという人材をバックアップせなあかんと思っている。

 

財団メンバー
グローバル化とアチコチで言われるが、実体は何だと思うか?

 

Bさん
昨年の夏にインドを訪れた時に、チベットから亡命してきた人の話を聞いた。
「自分のアイデンティティを守るために政府に隠れて逃げてきた。」と。
日本で過ごしてきた自分と比較した時に、世界には色々な人がいて、色々な文化・考え方があるということを知るということがグローバル化だと感じる。

 

財団メンバー
グローバル化と国際化の定義の違いを理解して使い分ける必要があると思う。
国際化というのは、視点がある。日本と韓国。日本とアメリカなど。
グリーバルというのは、地球まるごと同一のルールというようなイメージがあるので、似て非なるもの。
グローバルという言葉が出る背景には必ず意図があるので、そこを理解して色んな議論が出来るともっと深みが出ると思う。

 

 

BCさん

 
『これからの我々の具体的な活動について』(後編)

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