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一般財団法人 レオ財団

啓発イベント

子どもを愛おしく思う~ Make Japan great again ~【第二部】トークセッション

子どもを愛おしく思う~ Make Japan great again ~

 

2020.2.15

 

第二部では、子育て中の方へ人間学を伝える、致知出版 別冊『母』編集長の藤尾 佳子氏と、1000人以上の経営者への取材経験から著書『絶対肯定の子育て~世に名を残す人は、親がすごい』を書かれた『日経トップリーダー』編集長の北方 雅人氏と共に、辻井 いつ子氏の講演から感じたことや、それぞれの経験を基に、子育て中に大切にすべきことなどトークセッションを行いました。
◆藤尾佳子氏 『母』編集長
◆北方雅人氏 『日経トップリーダー』編集長
◆ファシリテーター:古賀敦子(一般財団法人レオ財団 理事)
(以下、敬称略)

 

古賀:本日この会を主催しましたレオ財団は、世の中をよくしようと頑張っている方を支援する財団として、6年前に設立されました。
レオ財団が応援している方々は、いじめ、虐待、里親・・・といった様々な社会課題に取り組んでいらっしゃいます。

一生懸命問題解決に尽力しておられるのを拝見するにつけ、私はそもそもそういう問題が出ないようにするにはどうしたらいいのだろう、とずっと考えてまいりました。
そこで行き着いたのが、世の中を変えるには、母が変わることが重要なのではないかということです。

私たちは、立場や抱える問題は異なりますが、母から生まれたということは同じ。誰もが通る道です。そこに何かの糸口があるのではないだろうか。そこでこの会を企画するにいたりました。

では、辻井さんのお話を聞かれた感想からうかがいたいと思います。

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藤尾:まず辻井さんの一言一言に伸行さんへの愛があふれていることに感動しました。加えて、母の言葉がけがいかに大事かをあらためて感じました。
子どもの才能を信じきる、子どもと一緒に夢を見る、可能性を信じてあげる――それこそが、母に出来ることなのではないかと。今すぐ東京に帰って息子を抱きしめたいくらいです。

 

北方:実は以前、伸行さんの取材をさせていただいたことがあります。伸行さんは、こんなふうに話していらっしゃいました。
「他のお母さんはほめないけれど、うちの母は『伸行の音楽が一番好き』といつも言ってくれます」と。
お母さんに喜んでもらうためにピアノを弾くんだ、と言っていました。
母親は息子が楽しいと思うことをやらせたいと思い、息子は母親に喜んでほしいとピアノを弾いている。お互いの思いが見事に一致しているんですね。

岸見一郎氏(『嫌われる勇気』著者)はこんなことを言っています。

――どの親も、子どもが小さい間は何ができても肯定する。すごいね、えらいね、と声をかける。
子どもが大きくなると、親にも欲が出てきたり、他の子と比べたりしてしまう。ここを伸ばせばこのへんまではできるかも・・・と考えてしまう、と。

その点、辻井さんには欲がない。コンクールに出てピアニストにさせようとかという欲望がなく、息子が楽しいことをやらせたい、この一点を貫いたことが素晴らしいですね。

 

古賀:お母さんが――お母さんには限らないかもしれません。
近くにいる人が「あなたのやっていることは素晴らしい」といつも褒めてくれる。これが大事なんですね。
人のために何かしたいと思っている人は、母親との関係を肯定的に捉えていると感じます。
母親として愛情をおしみなく与えたい、という気持はあっても、ずっと子どもと一緒にいることができないという現実もありますよね。

 

実は、藤尾さんの4歳の息子さんが発熱されていたんですよね。息子さんが、私たち主催者だけでなく、会場の皆さんにも宿題を投げかけてくれているように感じているのです。

この企画をしたときに、是非藤尾さんにご登壇いただきたいと思っていましたが、数日前に藤尾さんから息子さんのご容態を聴いたとき、思わず「大丈夫です。藤尾さんが居なくてもどうにかなりますから、息子さんのそばに居てあげてください!」と申しておりました。

働いているお母さん方は特に、仕事と子育ての狭間で、このような葛藤がよくあるのではないかと思いますが、どのような心境でこちらの会場にお越しいただいたのですか?

 

藤尾:4歳の息子が昨日まで熱を出していまして、今朝7時すぎの電車に乗るため家を出るときにも「いかないで。ずっと抱っこしてて」と・・本当に胸が張り裂けそうでした。
しかし、仕事のお約束で行かねばならず、何とも言えない気持ちでおりましたが「今日は休めないけど、ずっとあなたのことを考えているから」と、何とか息子を引き剥がしおばあちゃんに任せてきました。

 

古賀:こういう場合、子どもがいつも犠牲者になってしまうので、「ごめんなさい」より「有難う、おかげでおかあさんお仕事ができて、みんなに喜ばれたわ」と言ってあげたらどうでしょう。
感謝の言葉を伝え続けると、子どもも「おかんの役に立ったわ」と思えますから、言葉がけってとても大きいと感じます。

 

私は人材育成の仕事をしていますが、幼少期が大事だとつくづく思います。幼少期はいわば土の中の根っこを育てる時期。

家庭といういい土の中でしっかり根っこを育てていかないと、その後うまく育ちません。
逆に、その段階さえしっかりしていれば、どんな木であっても、その後どんな環境変化があっても、きっと倒れることはないと考えています。

 

 

北方:私の取材先でいえば、中小経営者は従業員の生活がかかっているからいつも非常なプレッシャーを感じています。支えになるものが必要なんです。
たとえばサイゼリヤの正垣社長はまだ10店舗の頃、1000店舗にすることを考えていました。
しかし当時そんなことを言おうものなら「できるはずがない」と誰にも取り合ってもらえなかった。
そんななか、正垣さんが自信をもって前に進めたのは、「母が『できる』と自信をもたせてくれたから」だと言います。
まさに、母からの声がけは不安を解消する力があると感じました。

 

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古賀:有難うございます。最後に一言ずつお願いします。

 

藤尾:女性活躍の時代と言われ、社会はどんどん変わっていきますが、先ほど古賀さんがおっしゃったように、誰もが母から生まれてくる、そこが変わらない以上、母が果たす役割は変わらずにあると思います。
まさにこんな思いからスタートしたのが『母』です。
今日、子育てしても自由にしていたい、という人が増え、私はいまのままでいいという風潮がある。
一方で、それは楽でいいがちょっと違うのではないかしらと感じる人もいます。
そうした違和感を持つお母さんたちに、母として、人間として本質的なことを伝えられればと考えています。
もうひとつ、「言葉」の大事さに触れたいと思います。辻井さんの講演でもあったように、母の言葉で子どもは変わります。
『致知』編集長として、父は、心の糧にある言葉を届けたいという信念を掲げてまいりましたが、これは自分の使命でもあります。
言葉は人生を支えてくれます。
壁にぶつかったとき、自分の内側にどんな言葉を持っているかで、人生は変わるのではないでしょうか。
家族の誰かが困難な状況になったとき、お母さんたちが『母』を手に取り、その言葉に救われることがあればと思っています。
皆さん、自分は内側にどんな言葉を持っているか、問いかけてみてください。その言葉で、世界は変わるかもしれません。本日は有難うございました。

 

北方:藤尾さんの「言葉」という話で思い出したことがあります。
以前『日経マスターズ』というシニア向け雑誌でニート現象を取り上げたのですが、子どもたちが親からどんな影響を受けているかが話題になりました。
たとえば父親が家で、疲れた疲れたと言っていると、子どもは仕事に対してネガティブな印象を持ちがちです。
事業承継がうまくいくかどうかに関連するケースもあり、たとえば子どもの頃、お風呂などで父親が「うちの会社の部品がスイスの腕時計に入った」という話をしていると、仕事を前向きに受け取るようになる。
このように、社会生活に関しては父の言葉が大きな影響を持つのではないでしょうか。
いまは人口減少の時代です。かつて人口増加を前提としていたビジネスやマネジメントの考え方では、もう太刀打ちできません。
従来は問題解決力が必要とされていたが、今後は問題そのものを見つける力が求められています。今日は有難うございました。

 

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