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一般財団法人 レオ財団

月例会・勉強会

一般社団法人 女性と子どものサポートセンター いのちね 代表理事 岡野 眞規代様にご講演いただきました。

「次世代につなぐ日本の文化 ~幸せないのちのバトン~」

 

2020.03.13
テーマ:出産・教育
 
 

いじめ・虐待・産後鬱による母親の自死など、様々な問題が起きている現代。
「生」と「死」に長年向き合ってきている岡野さんが、総合病院で助産師をしていた頃には気づかなかった、大切なこととは?

 

「お産の原点がどう在るか?が、諸問題を防ぐ鍵」

 

岡野さんが、大きな気づきを得たのは、お産の神様と言われた吉村正先生との出会いにあると仰います。
お産だけでなく、生き方や在り方そのものも教わったのだとか。

吉村医院では、400年前の古民家で、妊婦さんが仲間と一緒に薪を割ったり、井戸の水汲みをしたり。
それらの作業を通して、長丁場の出産であっても自力で乗り切ることのできる本来の体力をつけるのだそうです。

 

また、あえて手間暇のかかることに愛情を注ぐという体験を通して、妊娠中に「楽しい」「気持ちいい」と感じることが大事なのだとか。

それは、お腹の中の赤ちゃんにも同じ波動が伝わり、生まれる前から心地よく、「受け入れられている」「愛されてる」というエネルギーになるからだそうです。

岡野さん①

 

「どの子も、しっかり意思をもって生まれてくる」

 

吉村医院で生まれた赤ちゃんは、どの子もしっかり意思をもって生まれてくるのだそうです。
産後すぐに、へその緒がついたままお母さんの胸に抱かれると、パッチリと目を見開き、ピタッと泣き止み、離すと泣く。
これが、総合病院時代には気づくことの出来なかった、見事な答えだと仰います。
その後の「子供の心」「お母さんの愛情」において、重要な母子関係を築いていくために、妊娠中にどう過ごすかということが非常に重要だと。

 

本来、楽しみであり喜びであるはずのお産が、現代は情報が溢れ、返って不安が煽られているような状態。
人それぞれにお産のかたちがあり、自由に選択できるということを女性たちは知らず、病院に任せきりになってしまっていることを岡野さんは危惧されています。
吉村医院に勤務した5年間で、特に岡野さんの概念を大きく覆した、印象的なお産があったのだとか。

 
それは、妊娠4か月で「無脳児」であることがわかり、多くの病院で中絶を勧められてきた中、最後に吉村医院にたどり着き、出産を果たした女性。
無事に出産し、喜びの中で我が子を抱き、ほほ笑みを見せる母親の様子を目の当たりにし、命の尊厳ということを、この母子によって教えられたと言います。

生まれた赤ちゃんは、生後12時間であの世に帰っていったそうです。
しかし、妊娠中からお母さんに大切にされ、生まれてきてから12時間もの間、母親に大切に抱きしめられて帰っていけたことは、本当に幸せだったのだろうと。

okano

 

「お母さんが安心して妊娠期を過ごし、出産できる環境を目指して」

 

いじめや虐待を根元から防ぐためには、親の心・子どもの心が満たされることが重要。
そのため、お母さんが安心できる環境を、地域を巻き込んでつくることに力を注いでいらっしゃる岡野さん。

 

お母さんと赤ちゃんが、目と目を合わせて過ごす時間(例えば授乳時間)が一日に何回か、何年か続くことで赤ちゃんは安心し、満足してそばにいる人を信頼するようになる。
これが、基本的信頼関係を築く原点になっていき、人格の根っこが太く強くなっていくのだと。
それがやがて、人に対する思いやりになったり、慈悲深さになったり…

そうやって育った子どもたちが、日本の未来を支えてくれたらという想いをもとに、現在は鳥取県の智頭町で「女性と子どものサポートセンター いのちね」を運営。

 

それがモデルとなって、日本全国の過疎地で、安全なお産ができる場所をつくっていきたいと仰います。
日本の未来を創る岡野さんの活動に、是非多くの方にご支援いただければ幸いです。

 

■略歴
1952年生まれ、大阪府出身
大阪市立助産婦学院卒業。公立病院に14年間勤務し、その後、民間病院の婦長になる。
1993年東京にて助産婦教育に携わる。
そのとき、吉村正先生の講演を聴き、「お産を文化的な命の営みとしてとらえる哲学と信念」に衝撃を受け、1999年7月、吉村医院の「お産の家」開院と同時に婦長として勤務。
そこで、自然なお産に立ち会う中で、これまでのお産を科学的現象としてだけとらえていたことに気付く。
2004年より北海道で助産師教育に携わるかたわら、全国各地で講演を行う。
現在、当たり前ではなくなってしまった「自然なお産」が人の人生全体にわたって大きな意味を持ち、「人が本来持つ力の凄さと、内側に宿る神々しさ」をお産の中に取り戻すことがいかに大事かを伝えている。
2016年5月、鳥取県智頭町に『女性と子どものサポートセンター いのちね』を設立。
智頭町育みの郷構想の一環として、行政と共に「生まれる 生きる 死ぬ」の生命の循環をできるだけ自然の仕組みに沿った暮らしにするためのコミュニティー作りに取り組んでいる。
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